エベレスト地方 トレッキングルート①

<ルート概略>

エベレスト地方のトレッキングには、2つのメインルートがあります。 

・エベレストベースキャンプ(EBC)トレイル

地図の青色ライン。空港のあるルクラから往復16日程度が目安。エベレストベースキャンプおよびエベレストを間近に望める展望地カラパタール(5,545m)を目指します。

別名エベレスト街道とも呼ばれ、「一度は歩いてみたいトレイル」の一つとして、世界中のトレッカーがその名前を挙げるでしょう。エベレストの頂上を目指す各国の登山隊も、同じ道を通ってベースキャンプまでキャラバンします。

また、最寄りの街であるゴラクシェプから片道2時間程度、標高で200Mほど登った場所がカラパタール(「黒い丘」の意味)と呼ばれ、ここからのエベレストの眺めは本当に素晴らしいです。いわゆる「エベレストの写真」は、カラパタールから撮られたものも多いです。

 

 ・ゴーキョトレイル

地図の黄色ライン。ルクラから往復12日程度が目安。聖なる湖ゴーキョレイクをたたえる町ゴーキョおよびエベレスト展望地であるゴーキョリ(5,360m)を目指します。

エベレストベースキャンプトレイルと比べるとマイナーで訪れる人も少なめですが、道中の景色の素晴らしさは負けておらず、なによりエメラルドグリーンのゴーキョレイクは息をのむ美しさです。

そして、ゴーキョの町から片道2時間程度、600Mほど登った場所がゴーキョリ(「リ」はネパール語でピークの意味)と呼ばれ、カラパタールからよりは遠くなってしまいますが、ここからもしっかりと正面にエベレストを望むことができます。

また、ゴーキョレイクの周りをぐるっと一周してみたり、ゴーキョの町から北に向かって氷河に沿って歩いていくつかの湖を巡ってみたりと、ゴーキョの町起点でいろいろとサイドトリップに出かけるのも楽しみの一つです。

 

  EBCトレイルとゴーキョトレイルの2つはナムチェの町から少し北に進んだSanasaという町付近で分岐していて、空港のあるルクラからここまでは両者とも同じ道を歩きます。

両方歩きたい場合は、片方のルートを歩いた後いったん分岐点まで戻って他方のルートを歩くか、もしくはEBCトレイルとゴーキョトレイルをつなぐ峠(チョラパス、5420m)を越えることで両方のルートを周回することもできます(地図の緑ライン)。この場合、来た道を戻るよりも2日ほど短縮可能です。(ちなみにネパール語で「ラ」は峠のことです。)

 また、2つのメインルートのほかにも魅力的なトレイルがあります。

 

・3passes トレイル

地図の赤色ライン。ルクラから20日程度が目安。チョラを含む3つの峠(コンマラ、チョラ、レンジョラ)を越え、ナムチェ、ゴラクシェプ、ゴーキョをぐるっと一周する形でつなぐ、本格的なトレイルです。

日本ではあまり有名では無いかもしれませんが、欧米人の個人旅行トレッカー達は結構な確率で3passesをやっていました。

それぞれの峠(pass)の標高は5000mを超え、峠越えの間は休憩をとれる街もほぼ無いため体力的には厳しいですが、峠からの眺望の素晴らしさはカラパタールやゴーキョリからのものと遜色なく、歩ききった時の達成感も大きいでしょう。

・シバラヤからルクラまでのトレイル

カトマンズからルクラまで飛行機を使わないのであれば、カトマンズから陸路(バス)でシバラヤまで行き、そこからルクラまで6日ほどかけてトレッキングで行くこともできます。

道中は樹林帯のトレイル中心で、山々の景色はあまり多くありませんが、トレッカーもほとんどいないため、飛行機がなかった古き時代のエベレスト遠征隊の足跡をたどりながら、ゆったりと道中の村で現地の人たちと触れ合い、文化をより良く理解することができるという楽しみがあるでしょう。

そして、カトマンズから飛行機でいきなり標高2800mのルクラに入るのに比べると高度順応が楽にできる点や、国内線がどうしても怖いという人が、飛行機に乗ることなくEBCやゴーキョに向かうことができるという点もメリットです。

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